修理と買い替え、どっち?

車両保険使う?

事故車に車両保険を使って修理も可能だけどどうしようか

修理することも可能だとして、事故を起こしてしまった車をどうするかという問題があります。というのも、縁起が悪いので事故車は乗り続けるのがイヤなものだからです。再度事故にあったら自分や家族の命に関わりますからね。

持ち出しがいくらになるのか、修理した場合は何年乗るつもりなのか、未修理でいくらの下取り額になるのか、など経済的に合理的な判断をするには必要になる情報が多いです。が、心情的にやはり乗り続けるのはイヤだという人のために買い替えを筆頭に考えてみます。

買い替えするケース

現状の車を修理しないことに決めた場合でも車両保険を受け取ることができます。これが買い替えの原資になります。もらい事故などの場合、車両保険の額は車両の時価(市場価値)になりますので購入時の価格などは関係ありません。車両保険を使うと保険会社に所有権が移るため、買取業者に売ることはできません。(所有権が移転しない契約内容になっている場合もあり、その場合は売るか自分で廃車にすることになります。⇒事故車買取の一括査定ならこちら)

車両の時価を算出するのは保険会社なので基本的には安く見られます。が、自分で調査をして客観的な市場価値を示せる場合はその金額を認めさせることも可能です。裁判で算出された時価を覆した例もあります。相場に詳しければ、中古車として流通している平均価格などを調査してみる価値はあるでしょう。

一方費用の方は、車両価格の他に諸費用がかかります。各種税金・保険の掛け金や店舗ごとに設定された手数料などです。新車購入時で15%〜20%程度にもなります。200万円の車両本体価格であれば30〜40万円も追加で必要になります。

保険金で足りない分は自己資金が必要になります。

修理する場合は

修理を選択する場合、まず大切なのは、修理をしたからといって事故以前の元の状態へは戻れません。これは車の安全性という面、多少の外観の変化、また査定額の大幅な減少などの面で起こります。

安全性への不安としては、再度、事故を起こしたときに開発者の想定のとおりに変形せず、ドライバーや同乗者を守ってくれないかもしれないなどが、極論ですが想定されるわけです。

査定額の大幅な減少は、事故車(修復歴あり)になってしまうので当然です。見た目同じでも内部では大幅に価値が下がっています。外観の変化は塗装の継ぎ目などに現れることがあり、修理をしても不満に感じる人がいます。

自損事故で車両保険に入っている場合は、修理費用を全額もらうことができます。もらい事故の場合などは相手の保険を使って修理できる場合とできない場合があります。修理費用が時価を下回る場合は相手の保険で修理をすることができます。上回る場合は経済的全損という扱いになり、時価までしか修理費用が払われません。自己負担(もしくは自分の保険の車両保険の使用)がイヤな場合は買い替えという選択肢になります。

全損には2種類ある

車両の損害を示す状態の用語

物理的全損
 … 修理しても乗れる見込みがなく無駄なので物理的に修理不可能な状態。

経済的全損
 … 修理する費用が時価を上回ってしまうため、経済的に不合理となり、修理不可能な状態。

分損
 … 修理すれば乗れる状態に戻る程度の損害を受けた状態。修理の記録(修復歴)が残る場合と残らない場合があり、修復歴が残る場合は車両価値が減少します。

経済的全損の問題

自損事故で自分の保険の車両保険を使う場合は問題ありません。経済的全損は相手の保険を使って修理したい場合に現れる問題で、自分の保険上の車両価格と相手の保険会社の査定に差が生じるため、こじれやすいです。

もらい事故なのになんで自分が支払う必要があるんだと感情的にもなりやすいですが、裁判で判例も出ている真っ当な考え方です。特に100:0の事故だと自分の保険会社は一切手を貸してくれず、相手の保険会社も支払いを抑えるように行動しますので、逆上せずに「日弁連交通事故相談センター」「交通事故紛争処理センター」「都道府県の交通事故相談所」など専門家に相談できる機関を頼りましょう。

事故を起こしたとき車の修理と買い替えではどっちがトクか、なかなか判断が難しいところ。何がどうなったらトクかというのが頭にない状態では判断することすらできません。特に難しい経済的全損の問題や修理した場合の問題を解説。事故車に乗り続けることの気持ち悪さは買い替えによってしか解消されないので、買い替え寄りに検討している人は必見。

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